何かを壊していくベンチャーもあれば何かを守り続けるベンチャーもあるんです。

男でも...おかあさん...

お店は、地域の食卓。店主は、お客様のおかあさん。

僕が勤務しているのは、都心に通う人たちのベッドタウンにある商業施設。
共働きの世帯も増えているので、母子、あるいは父子という組み合わせのお客様も多い。
お店を、そういうお客様たちの食卓と考えると、
僕たち店主の役割はその街・その地域・そのお客さんの"おかあさん”になること。
男の僕が言うと妙な感じがしますけど(笑)。
「ジューッ!」と音をあげて香るお肉の音に「うわ〜」と目の前で喜んでくださる。
そのたびに僕たちも「がんばって作った甲斐があった!」とパワーをもらえる。
仕込みから調理まで、すべてを店内で手がけている大戸屋ならではの、幸せの巡り。
僕はこの光景にこそ"飲食業の本質”が詰まっていると思います。

困ってない?

業種や会社名で選ぶのではなく、仕事を通して何に挑むのか、で選んだ。

はじめから、この仕事の意義が腹に落ちていたかと言われたら、そうではありません。
実は、学生時代から大戸屋でアルバイトをしていて、
手間ひま惜しまず調理する企業姿勢は理解していました。
でもクルマ好きという単純な理由で、就職活動の第一志望はカーディーラー。
大戸屋への志望度は…まったく!高くなかったです。
それが、当時の店主が放ったひと言にノックアウトされました。
「飲食業界はつらい。そんなレッテルをはられているけれど、
大戸屋から、それを正していきたいんだよね」。業種や会社名ではなく、
仕事を通して何に挑むのか。そういう就職の軸もあるのか!
高校時代、弱小テニス部でキャプテンとして奮闘していた、
僕の反骨心に火がつきました。

かっこいいぜ!

目の前の経営資源で、最高のチームをめざす。なんだか部活を思い出す。

しかし、入社早々、燃える炎は意気消沈。
クレームを受けて席までお詫びにあがると「店主を出せ」と。
ちきしょう。僕だって大戸屋の一員なのに。「研修生」と刻まれた胸のプレートが悔しくて。
一日でも早く責任ある立場に就きたいと思った。
その日以来、店舗運営のイロハを猛烈に学ぶ日々が始まりました。
(こう振り返ると、入社の理由然り"認められていないものを、認めさせたいとき”
スイッチが入る性分なのかもしれません。)
1年で店主代理に。1年8ヶ月で店主へと昇進。まだ店舗というサイズではありますが、
25,6歳で「人・物・お金・時間・情報」とあらゆる経営資源を動かし、
商売の基礎を会得できる。それも飲食業に就職する、ひとつのメリットだと思います。

ぜひ、一緒に

間に合わないと言いながら、みんな、楽しそうに下ごしらえをしている。

傍目には、同じような毎日に見える店舗も、
その内実は、生き物のように変化する数字と格闘しています。
たとえば「何か困ってることある?」とひと声かける。
アルバイトさんの不安をひとつ解消すれば、作業スピードも向上する。
すると、数字も変わってくる。緻密な計算の積み重ねで、お店の総合力を高めていく。
弱小テニス部をいかに強いチームにしていくか、
チームスポーツの世界に通じる戦略的な面白さがあります。
開店前。パートのおばさんたちと「間に合わない、間に合わない」と笑いながら、
せっせと下ごしらえをする。効率に傾く世の中において、店内調理を貫く。
ずっと変わらないその姿勢が、いつか、
大戸屋かっこいいぜ、という評価に変わったら、たまらなくうれしいですね。